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  • 2009.01.17 Saturday
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小泉毅という人物

 前回のブログ「テロルのかたち」で私は、元厚生事務次官襲撃事件は政治的テロルとみて、ほぼ間違いないだろうと書いた。それをアップしたちょうどそのころ、事件の下手人を自称する人物は、自首すべく警視庁のあたりまで出かけていたことになる。この出頭で、事件が「政治的テロル」であるとは言い切れなくなったが、それでも謎はかえって深まったように思う。
 彼、小泉毅の陳述や、彼が残している「証拠物件」は彼が捜査当局や社会に向けて意図的に発している「操作された情報」であって、そのままで「事実」を表しているとは考えないほうがいい。慎重な吟味が必要なことは言うまでもない。
 そういうことで、今のところ、著しく情報が不足しているので、あやふやなことしか言えないが、私は名乗り出た小泉毅という人物について、以下のように見ている。

 その主な根拠は、写真でみる彼の「面構え」である。四十歳を過ぎた男は自分の顔に責任があるといわれるが、彼の「面構え」が少年時代とは一変していることは、高校までの同級生たちが証言するところである。どちらかといえばおとなしい性格だったとも言われている。したがってあの顔は、20歳代以後の不安定な生活の積み重ねの中で、彼自身が「辛苦」の挙句作り上げてきたものであろう。あの顔は、孤独な「引きこもり」で作れるものではない。またネットなどバーチャルな世界に比重をかけた生活の中でも作れはしない。
 あの種の顔は、たとえば「やくざ」など、独特な社会関係の中で形成されるのが普通である。であるから、彼は、歪んだ形ではあっても社会生活の中にちゃんと入り込んでいたと見るべきである。その点で彼は、社会に入れないであがいていた秋葉原事件その他の無差別殺人事件の犯人たちとはまったく異質である。
 であるなら、彼を取り巻く人間関係が解明されないかぎり、事件の実相は不明のままに終わるだろう。

 付言するなら、小泉毅の「自首」は入念に準備され工作されている疑いが濃い。そのために必要な時間的余裕は十分だった。故郷の父親への電話、手紙などももちろん取材・捜査の対象になることを予想してのものだろう。取り揃えられた「証拠物件」の中には、事後に作られたものもあるかもしれない。秘匿すべき証拠は、破壊されるなりなんなり、とにかく処分されているはずだ。家宅捜索で出てきた物件は彼が提供したいと望んだものであろう。もちろん、その死角に入っていたモノを発見しようと捜査当局は頑張るだろうが、多くのものは期待できない。

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