<< 名残りの紅葉 | main | これはもうイジメじゃないですか >>

スポンサーサイト

  • 2009.01.17 Saturday
  • -
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

一定期間更新がないため広告を表示しています


与謝野馨氏の見識

 与謝野馨氏といえば安倍内閣(辞任時)の官房長官、小泉・安倍内閣で重要な働きをした政治家です。私はこの両内閣にプラスの評価はしていないのですが、それでも、今回の薬害肝炎問題に関しての与野党の政治家たちの発言の中で、私がメディアを通じて見聞した限りでは、与謝野氏のそれが唯一まともなものでした。
 
 「自民党の与謝野馨・前官房長官は21日、TBSのテレビ番組の収録で、薬害C型肝炎集団訴訟の和解協議について、「議員立法をしてでも(患者を)救済するくらいの気迫がないといけない。法的責任の有無で判断するのはたやすいが、そこを乗り越えたところに政治の役割がある」と述べ、国が提示した修正案をさらに見直す必要があるとの考えを示した」(21日付読売新聞Web版)

 これと対照的なのが、町村信孝現官房長官の発言です。彼は和解協議にあたって原告団が強く求める「政治決断」を回避した「弁明」として、20日の記者会見で次のように述べました。

 「三権分立があるわけだから、司法の判断をないがしろにして考えることはできない…
」(21日付朝日新聞)

 大阪高裁が和解案で示した枠内でしか考えられないというわけです。この人、「三権分立」の意味がおわかりなんでしょうかね。

 国家権力はしばしば強くなりすぎて人民の権利を侵害する危険がある。そこで国家権力を抑制する装置として「三権分立」が考え出された。この制度の核心は「司法権の独立」である。私はこのように理解しています。現代の世界をみても、民主主義の確立していない国家では、どこでも実態として司法権の独立は存在しません。それに反して司法府を「隠れ蓑」として使うのは非民主主義政権の常套手段です。

 三権分立とは、まずなによりも、司法権の独立を尊重すること、すなわち政治が司法府へ影響を及ぼすことのないようにすることです。政治が自ら果たさなければならない責任を放棄して、それを司法に押し付けることではありません。

 薬害肝炎訴訟にせよ、中国残留孤児訴訟にせよ、ハンセン病訴訟にせよ、国を相手取った民事訴訟は、なぜ起こされたのでしょうか。時間とのたたかいの渦中にある原告団の人たちが、気の遠くなるような時間と経費のかかる裁判を最初から望んで始めたわけではありません。行政や政治が訴えを「聞く耳」を持たないから、最後の手段として裁判に訴えたのです。裁判が始まると被告の国側は、道義や道理は二の次、訴訟の勝利に全力をあげます。

 世論の高まりの中で「政治の責任」が明らかにされてきてはじめて、政府側に控訴断念とか和解とかの「政治決断」が出てきたのです。

 責任は内閣と国会の両方にあります。今の社会には現行法規だけでは国民の権利を守りきれない問題がたくさんあります。立法府の怠慢はハンセン病訴訟の判決でも指摘されたとおりです。

 与謝野氏の言っているように、政府と国会が協力して努力すれば今回も和解成立の可能性はあるように思います。

 いわゆる「線引き問題」は、これを一般論にまで拡大して、将来発生するかもしれぬすべての薬害を国の責任と解釈するなら、それは妥協困難な対立になってしまいますが、それは極論でしょう。ここは「薬害肝炎」に限定して考えるのが現実的なのではないでしょうか。

スポンサーサイト

  • 2009.01.17 Saturday
  • -
  • 19:50
  • -
  • -
  • by スポンサードリンク

コメント
老化とともに涙もろくなっていく私ですが、今回の肝炎訴訟の原告団には一段と涙が多かったようです。和解案でも原告たちの大部分は経済的にはなんら不利にもならなく、むしろ一律救済で経済的に不利になるにもかかわらず政府の和解案を拒否した原告団のヒューマニズムに感動しました。加齢とともに人間不信になっている私ですが今回の原告は私にちょっとした救いをもたらしてくれました。原告団の多くが女性だったことが関係ありますかね。
ついでに明るい画期的な裁判の話しを。世界のトヨタに真正面から挑んだ内野博子さんの話。以下「週刊金曜日12月21日」のリード部分をそのまま引用。(鎌田慧のルポ)
「トヨタ自動車で働いていた内野健一さん(博子さんの夫)の過労死をめぐる裁判で、司法がトヨタと労働基準監督署の非常識に『待った』をかけた。これまで会社側が『私的な雑談、団欒だった』と主張していた労働者による『小集団活動』が、過労死を招くほどの『残業』であったと認定されたのだ。」
  • 中田一二
  • 2007/12/24 10:23 AM
中田さん、コメントありがとうございました。与党内にもようやく危機意識が広がってきたようですね。未だ楽観はできませんが。

グッドウィルだけでなく、トヨタやキャノンもひどいようです。いわゆる「労働ビッグバン」が、これからの日本の最大の問題でしょうね。
  • hchikai
  • 2007/12/24 3:34 PM
コメントする









calendar
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
sponsored links
selected entries
categories
archives
recent comment
recommend
links
profile
search this site.
others
mobile
qrcode
powered
無料ブログ作成サービス JUGEM